2026年春の花粉飛散予想 全国的に平年を上回る予想 東北北部では過去10年で最多に匹敵

第一回花粉飛散傾向
来年2026年春の花粉飛散量は、北日本と東日本で2025年を大きく上回る予想で、全国的に平年(2016~2025年の平均飛散量)よりも多くなる見込みです。特に東北北部では、平年比で200%を超える地域もあり、過去10年で最多に匹敵する大量飛散になるとみています。
西日本では、近畿や中国、四国で2025年を上回る地域が多くなる一方、2025年に記録的な大量飛散となった九州北部では半減する地域もあると見込んでいます。
全国平均では、平年比146%の飛散量となる予想です。
北日本や北陸、甲信では飛散量が増える「表年」傾向が顕著に
今年の夏は広範囲で日照時間が平年よりかなり多く、気温も全国的にかなり高くなり、花粉の発生源となる雄花の生長に適した天候となりました。
このため、来年2026年が飛散量が多くなる「表年」傾向となる北日本や北陸、甲信では、前年より大幅に飛散量が増える見込みです。特に東北北部では大量飛散となるおそれがあり、過去10年で最も多いか、もしくはそれに匹敵する飛散量となる予想です。例年以上の万全な対策が必要となります。
一方、来年2026年が飛散量が少なくなる「裏年」傾向の西日本でも平年並の飛散量を予想していますので、油断せずに対策をしっかりと行ってください。
2025年比
2026年春の花粉飛散量を昨年比で見ていくと、北日本や北陸、甲信では大きく上回り、西日本では下回る地域が多い予想です。全国平均では146%となる見込みです。
特に東北北部は2025年の飛散量が非常に少なかったため、大量飛散が予想される2026年春は一部の地域では2025年の6倍以上の飛散量になるとみています。
一方、西日本では2025年の飛散量が多かったことから、2025年比で50%を下回る地域がある予想です。
また、関東や東海では、2025年並みの飛散量の所が多い見込みです。
夏の天候と年ごとの増減傾向がカギ
花粉の飛散量予想は、主に前年の夏の天候と年ごとの飛散量の増減傾向を基に算出しています。2026年の飛散量予想の背景は以下の通りです。■雄花の生長に適した夏
前年の夏に十分な日照があり、気温が上がるほど光合成が盛んになり、花粉の発生源となる雄花の生長が促される傾向があります。
2025年の夏は6月から日本付近で高気圧の勢力が強まり、7月以降も強い状況が続きました。このため日照時間は広範囲で平年よりかなり多く、気温も全国的にかなり高くなりました。このため、雄花の生長に非常に適した天候でした。
■年ごとの飛散量の増減傾向
花粉の飛散量は周期的に増減し、花粉の飛散が多い年と少ない年が交互に訪れる傾向があります。飛散量が多い年を「表年」、少ない年を「裏年」と呼びます。エリアによって増減の周期は異なり、「表年」「裏年」も異なります。夏の天候等の影響で「表年」「裏年」の区別が不明確になる年もあります。
・2025年は北日本や北陸、甲信で前年よりも少なくなったため、2026年は飛散量が増える「表年」になると予想しています。特に減少幅が大きかった北海道や東北北部では、2026年は「表年」傾向が強く現れるとみています。
・一方、西日本は2025年の飛散量が前年より多くなったため、2026年は「裏年」傾向が強くなり、飛散量が減る見込みです。ただ、花粉の雄花の生長に適した天候が「裏年」傾向を緩和または相殺する地域が多くなるとみています。
・関東南部や東海では近年「表年」「裏年」が不明瞭な状態が続いていて、2026年も「表年」「裏年」の傾向は小さいとみています。
記録的な高温・多照で雄花の生長に適した夏
以上をまとめますと、今年の夏は広範囲で平年を上回る日照時間と、全国的に非常に気温が高かったため、雄花の生長に適した天候となりました。
このため、全国的に平年より飛散量が多く、「表年」傾向の北日本や北陸、甲信では前年比で大幅に飛散量が増え、飛散量が少なくなる「裏年」傾向の西日本でも平年並の飛散量を予想しています。
油断せずに対策をしっかりと行ってください。
2026年の花粉開始時期や飛散ピークについてまとめた「第二回花粉飛散予想」は12月上旬に発表する予定です。