学校法人森友学園への国有地売却に関する公文書改ざん問題で、財務省は8日、改ざんを指示されて自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さん(54)に、関連文書を開示した。開示は4回目で、ある同財務局職員(当時)が売却に関わった同省などについて「無傷でいられるはずはない」と記したメールなどが含まれている。
文書は全体で17万ページ以上あり、今回開示されたのは財務省職員の手控えやメールなど約2万5000ページ。
国有地売却を巡っては、近畿財務局の依頼を受け、国土交通省大阪航空局が減額の根拠となった敷地のごみ処分費用の積算を担当した。
近畿財務局職員は2017年3月に同僚に送ったメールで、同航空局の積算について「優遇していたと問題になる」と批判。「財務省、近畿財務局、もちろん大阪航空局も無傷でいられるはずはない」との認識を示していた。
同航空局が今月3日に公表した報告書では、ごみ処分費用の見積額は当初より2億円近く減少した。
雅子さんはこの日、財務省で文書を受け取った後、報道陣の取材に「(俊夫さんが)つらい思いをしていたのを知れたらいい」と話した。財務相宛てに森友問題の再調査を求める手紙を出したことも明らかにした。 [時事通信社]