保育園児に「頭悪いんか」、口に食べ物押し込む…保育士10人が計26件の虐待や不適切保育

福岡県と同県田川市は20日、同市の私立「松原保育園」で、女性保育士10人(20~60歳代)が園児への虐待などを繰り返したとして、運営する社会福祉法人「松原福祉会」に児童福祉法などに基づく改善勧告を出した。
園では8月4日、女性保育士が園児をたたいたのを女性園長が目撃し、市に報告。県と市が同14日~10月17日、特別指導監査を実施した。
県によると、7月18日~8月6日の保育室の防犯カメラ映像などを調べたところ、▽指示に従わないと殴る・たたく・頬をつねる▽嫌がる園児の口に食べ物を押し込む▽「頭悪いんか」と発言――など計26件の虐待や不適切保育が確認された。
園に勤務する保育士14人のうち、10人が関与していた。園長は「認識はなかった」と話しているという。園は虐待の発覚後、2人を懲戒解雇している。園児にけがは確認されていない。
園には88人が在籍しており、市が転園の相談に応じる。県子育て支援課は「保育所のあるべき姿からかけ離れており、毅然(きぜん)と対応する」とした。園は20日、ホームページに「深くおわび申し上げる。再発防止と保育の質の向上に全力で努めていく」との謝罪文を公表した。