九州東岸や四国で収穫前の水田に病害虫、ウンカによる食害が拡大している。大分、宮崎、愛媛県で警報が発令され、大分県内では大分市や豊後大野市、竹田市など県中部や南部一帯で被害が目立つ。8月中旬からの長雨で農薬が散布できない時期が続いたことなどが原因とみられ、県は被害拡大を抑えるため早めの収穫を呼びかけている。【衛藤親】
県によると、ウンカは稲の茎から水分を吸い、稲を枯死させる。被害を出しているのは病害虫の中でも最も猛威をふるうトビイロウンカ。梅雨の時期に中国大陸から偏西風に乗って飛来する。通常は長崎や佐賀県など九州西部から発生が広がるが、今年は九州東岸で被害が多いという。
県農林水産研究指導センターは8月7日、注意報を発令。その後もトビイロウンカが増加したため9月11日に警報を発令した。センターによると、警報を出した時点での水田のウンカ発生率は87・5%で、前回警報が発令された2013年の65・4%を大きく上回った。稲1株当たりのウンカの数も平均2匹で、13年の5倍だった。
県豊肥振興局によると、トビイロウンカの雌は1回に300~500個の卵を産み、約1カ月で成虫になって繁殖を繰り返す。このため、放置すると生息数が激増して被害も拡大する。生産者は、枯死した稲でも刈り取りはしなければならないうえ、食害にあった稲わらは飼料などとしても売れず、経済的な打撃につながる。
豊後大野市内で稲を栽培する男性(59)は「今年はウンカ被害と台風による倒伏で困っている」と頭を抱える。同市の別の男性(46)はウンカ被害はないものの「稲刈りを例年より1週間早めることにした」と話した。