高市早苗首相、日朝首脳会談に意欲 拉致被害者家族と初面会「何としても突破口開く覚悟」

高市早苗首相は23日、首相官邸で、北朝鮮による拉致被害者家族と就任後初めて面会した。高市首相は「何としても突破口を開く。覚悟はできている」と述べ、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記との首脳会談に意欲を見せた。
面会には、拉致被害者の横田めぐみさん(61)=拉致当時(13)=の弟で家族会代表の拓也さん(57)や母の早紀江さん(89)らが参加。家族会は、首脳会談実現に向けて岸田文雄内閣時代に浮上した「首相直轄のハイレベル協議」の再構築を求めた。
高市首相は面会で「5人の被害者の方が帰国されてから23年、被害者の帰国は1人も実現していない。大変申し訳ない」と陳謝し、「過去の政権が行った働きかけを踏まえつつ、リーダーシップを発揮して突破口を開くよう取り組む」と語った。
拓也さんは早紀江さんについて「きょう元気でもあす元気ではないかもしれない」と、めぐみさんと母の再会には時間的制約があることを強調。早紀江さんは「被害者が元気なうちに、『母の思い』で解決してほしい」と訴えた。
拉致問題担当相を兼務する熊本県選出の木原稔官房長官は、同県出身の拉致被害者、松木薫さん(72)=同(26)=の家族との交流について触れ、「変わらず、これまで以上に活動したい」と述べた。