国公私立の小中学校で不登校の小中学生が令和6年度は前年度比2・2%増の35万3970人に上り、12年連続で過去最多となったことが29日、文部科学省の問題行動・不登校調査で分かった。小中高校のいじめの認知件数は、SNSを介したネットいじめなどを背景に、前年度比5%増の76万9022件で、4年連続過去最多となった。
不登校の小学生は5・6%増の13万7704人、中学生は0・1%増の21万6266人。小中学生の不登校の増加率は前年度の15・9%から大幅に低下した。小学生は44人に1人、中学生は15人に1人の割合で、40人学級の中学校は1クラスに2人以上いる計算。学校内外でスクールカウンセラーらの専門的支援を受けていないのは計13万5724人に上った。
不登校の理由(複数回答)については、「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」が30・1%で最も多く、「生活リズムの不調に関する相談があった」(25%)が続いた。
いじめ認知件数は、小学校61万612件、中学校13万5865件、高校1万8891件、特別支援学校3654件。全学校の83・9%に当たる3万204校で認知した。身体的被害や長期欠席が生じた「重大事態」は1405件で過去最多。そのうち490件(34・9%)は深刻な被害が生じるまでいじめとして把握できていなかった。
文科省は、無理に通学する必要はないといった保護者らの意識変化が不登校増加の要因とみている。いじめは積極的な認知が進んだ結果とするが、重大事態の増加は「憂慮すべき事態」とした。