わずか1件のクレームで花火写真を撤去した市川市に問い合わせや抗議110件…今後は「基本的には撤去しない」

千葉県市川市が市川市民納涼花火大会のギネス世界記録認定証とプロ写真家の写真を合わせて展示し、その後わずか1件のクレームを受けて写真を撤去した問題で、市は27日、市の対応を疑問視する問い合わせや抗議がこれまでに計約110件、メールや電話で寄せられたと明らかにした。
市民からは「たった1人の不合理な指摘をすんなりと受け入れるのはおかしいのではないか」「市民に対してしっかり説明すべきではないか」などの意見が出た。ただ、市は元の写真に戻さず、市民らが撮影した花火の写真を公募し、年内にも写真展を開催する対応方針を示した。クレームを受けた写真も再び提供されれば展示するという。また、今後同様の指摘があった場合、「理解を得ることに努め、基本的には撤去しない」との考えを示した。
一方、市はいまだに撤去について市ホームページなどで説明していない。写真を撮影した「Shun Shirai」の名前で活動するプロ写真家白井俊一郎さん(53)は公募写真展について、「またクレームで混乱しそう。現状では作品を出す人の権利保護が不十分ではないか」と懸念を示した。作品を提供するかは、「疑問を抱える多くの市民が、市の説明を受けて納得した上で別の写真展をやるなら前向きに考えたいが、現状では作品を再び提供できる状況ではない」と話している。