小泉防衛相、ヘグセス国防長官に防衛費増額を伝達…日米同盟の抑止力強化に向け議論

小泉防衛相は29日午前、来日中のヘグセス米国防長官と東京・市ヶ谷の防衛省で会談した。小泉氏は、防衛費の増額などにより防衛力強化を進めていく決意を伝達した。激しさを増すインド太平洋地域の安全保障環境に対応するため、日米同盟の抑止力強化に向けても議論した。
両氏は28日に高市首相とトランプ大統領が米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)で原子力空母「ジョージ・ワシントン」を視察した際に同行して初対面したが、正式に会談するのは初めて。会談後には、共同記者会見に臨んだ。
首相が同日の日米首脳会談で防衛費増額に取り組む考えを伝えたことを踏まえ、両氏は日本の防衛力強化の取り組みを巡って意見交換した。小泉氏は28日の記者会見で「我が国の主体的な判断で防衛力を強化し、地域の平和と安全を担っていく考えをしっかりと伝えたい」と語っていた。
首相は、国家安全保障戦略など安保3文書を前倒しで改定することを表明している。防衛省は「防衛力変革推進本部会議」を開いて改定に向けた議論を開始しており、小泉氏はこういった状況も説明した。
ヘグセス氏はハワイやマレーシア、韓国などを含むインド太平洋地域歴訪の一環で来日している。米国防総省は歴訪の目的を「防衛面の関係を強化し、力を通じた平和への米国の関与を再確認するため」とし、日本では「地域で増大する脅威に対し、同盟を迅速に強化する重要性に重点を当てる」と表明していた。