自民党と日本維新の会は31日、国会内で初の与党政策責任者会議を開き、高校授業料無償化の制度内容について合意した。来年度から所得制限なく、私立高に通う生徒も授業料が実質無償化される内容だ。両党の連立合意に明記された主要政策の正式合意は初めて。
今年度から公立・私立の別を問わず、年収910万円以上を含めた全世帯に公立高の年間授業料に相当する11万8800円が就学支援金として支給されている。今回の合意に基づき、来年度予算案と関連法案が成立すれば、来年度からは私立高生のいる世帯への支給額の上限は、年45万7000円に引き上げられる。
私立高による授業料の便乗値上げを防ぐため、対策に取り組まない都道府県に対しては、国からの私学助成の補助金を減額する。
外国人の生徒は定住者などに対象を限定し、留学生や外国人学校の生徒は対象外とする。私立通信制高校の支給上限額は年33万7000円にとどめる。
教科書代などの負担軽減を目的とした奨学給付金は支給対象を住民税非課税世帯などから中所得層までに広げる。私立の無償化に伴い、公立の志望者が減る恐れがあるとし、国は今年度中に高校教育の改革計画を策定し、交付金の導入などで公立高支援を強化する。
自民、維新と公明党は今年2月、高校授業料の無償化で合意し、実務者で制度設計を進めていた。この日は3党の政調会長が合意文書に署名する方向だったが、公明が加わらず、署名は見送られた。