田久保氏、涙見せ「後悔ない」=市議会からは憤りの声―静岡・伊東

学歴詐称疑惑が指摘される静岡県伊東市の田久保真紀市長の失職が31日、決まった。2度目の不信任決議の可決後、記者団の取材に応じた田久保氏は時折涙を見せながら、「自分なりに考え、決断してきた。後悔はない」と語った。一方、市議会の中島弘道議長は「市政の停滞で市民に迷惑をかけた。時間とお金の無駄だった」と、田久保氏への憤りをあらわにした。
6月に疑惑が表面化して以降、市議会は特別委員会(百条委員会)による調査を経て、9月に1度目の不信任決議を全会一致で可決した。これを受け、田久保氏は市議会解散に踏み切り、10月に市議選が行われた。
田久保氏は、この間の自身の対応について「職員には負担をかけた。精いっぱいやり切った」と振り返った。これに対し、同日可決された2度目の不信任決議では「解散を正当化し得る大義はみじんもない。暴君の所業と言っても過言ではない」と、激しく非難した。
約4カ月にわたる市長と市議会の対立は、田久保氏の失職という形で一つの区切りを迎えることになった。中島氏は「喜びはない。むなしい達成感だ」と淡々と述べた。 [時事通信社]