警察官によるクマ駆除、11月中旬から開始へ 警察庁が秋田で聞き取り

警察官によるライフル銃を使ったクマの駆除に向けて、警察庁は4日、クマによる人的被害が深刻な秋田県に担当者を派遣し、県と県警から対応状況や課題の聞き取りを始めた。他県からの部隊の派遣も含めて、11月中旬から対応できるよう準備を進める方針。
県警本部での聞き取りの後、警察庁の保坂啓介・保安課長が報道陣の取材に応じ、現地のクマの状況について「非常事態だと強く印象を受けた。緊急性が高いと考えている」と述べた。県側からは「県民の安心安全の大きな脅威になっている」と説明されたという。
この日は、クマの出没状況や県と県警の連携状況を確認し、市町村長の判断で発砲できる「緊急銃猟」での対応が難しい場合などで警察が補完的に何ができるか話し合った。意見交換の前には、仙北市で緊急銃猟の現場を視察した。
警察官のライフル銃での駆除は、緊急時の措置を定めた警察官職務執行法に基づいて実施する。警察庁は今後、クマの生態や急所の把握を進め、駆除にあたる警察官は他県からの派遣を含めてどのぐらい必要なのかなどを検討していく。
また石原宏高環境相は4日の閣議後記者会見で、警察官による駆除について「ハンターの高齢化が進み、将来の人口減少を考えると、警察組織でそうしたことを行ってもらうとよいのでは」と述べた。【工藤哲、深津誠、大野友嘉子】