高市早苗首相釈明「私がどんどん直しちゃうもんだから」午前3時始動は「多くの人に影響」と野党

高市早苗首相は7日の衆院予算委員会で、この日午前3時から始動し、予算委員会の答弁に向けた打ち合わせを公邸で秘書官と行った異例の対応について、釈明と陳謝をした。
立憲民主党の黒岩宇洋議員の質問に答えた。
黒岩氏は、午前3時の異例始動を「熱心な総理ならでは」と指摘。「私が昨日、午後9時に宿舎に帰ったら、記者さんから(高市首相が)午前3時からのレクに向けて、役所の職員は(午前)2時半には出勤すると聴いた。役所の職員だけでなく警備や衛視の方々、約100人くらいのみなさんが待機していたと(聴いた)。そう考えると、何時に家を出たのかと。泊まられた方もいると思うし、省庁の職員の中には徹夜で答弁書を作成した方もいると思う」と指摘した。
「そう考えると、総理のレクという行動で多くの方に大きな影響を与えたのは事実」と苦言を呈し、高市首相の受け止めを問うた。
これに対し、高市首相は「私はこれまで(大臣時代も含めて)役所のレクというのは受けていない。答弁書をいただいて、自分で読むということ」とした上で、今回、午前3時に始動せざるを得なかった事情を告白。「これまでは、ファクスやパソコンで受けて、宿舎で自分で読むということだった。ただ今回は、急に総理になって。衆院宿舎にはホームファクスが、部屋に付いていますよね。だいたい10枚くらいで紙が詰まるやつ。あれしかまだ昨日の段階では、なくて…」と事情を説明し、「今日から予算委員会が始まるということで、答弁書を受け取るすべがなかった。一読もせずに委員会に臨むわけにもいかなかった」と訴えた。
前日の公務終了時に、役所側がすべての質問書が取れておらず、答弁書もできあがっていなかったとして「私が(答弁書を宿舎に)持ち帰ることも、ファクスで受け取ることもできなかった。(答弁書が)できあがるくらいの時間が、おおむね午前3時ごろだという話を受けて、3時に公邸に行った」と述べた。
公邸に行ったことは「官邸に行くと、警護の方からたくさんの職員が出ないといけないから」という。それでも「私はどんどん(答弁書に)手を入れて、直しちゃうもんですから」と口にし「手伝ってくれた秘書官や、宿舎から公邸までついてきてくれたSPさんとドライバーの方にはご迷惑をかけた」と陳謝した。
自民党総裁選出直後、「ワーク・ライフ・バランスを捨てます」「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」と述べた自身の言葉を「体現」したような高市首相の釈明ではあったが、黒岩氏は「徹夜で向かわれた方もいると思う。SPの方も含めて、公邸であっても、国会の職員が動いている」と苦言を呈しつつ、「それについて、申し訳なかったということは分かりました」と応じた。