高市早苗首相は10日の衆院予算委員会で、黄川田仁志沖縄・北方担当相が北方領土を視察するため8日に対岸の北海道根室市の納沙布岬を訪れた際、「一番外国に近い」と語ったことに関し、「誤解を招きかねない」として電話で注意したと明らかにした。北方領土は「日本固有の領土」というのが日本政府の立場で、これに反する恐れがあるとの批判も出ている。
立憲民主党の大築紅葉氏は「北方領土を外国と認識していたのか」と追及。「閣僚の資質に欠ける」とする声が出ていると指摘した。
黄川田氏は「若い方に足を運び、自分の目で見て、領土問題を自分のこととして思いをはせてもらいたいという思いを話した」と釈明。「(視察後に)わが国固有の領土だとはっきり申し上げた」と強調した。謝罪や撤回はせず、「今後も担当相として全力を傾ける」と述べた。
木原稔官房長官は10日の記者会見で「日ごろの言動に一層緊張感を持つよう注意した」と説明。「引き続き職務にまい進してもらいたい」と更迭を否定した。 [時事通信社]