太平洋戦争後、フィリピンに残されて無国籍となった日系2世の男女4人が、日本で戸籍を作る「就籍」を申し立てた審判で、東京、那覇両家裁などは12日までに、日本国籍を認めず却下する決定をした。代理人弁護士らが都内で記者会見して明らかにした。いずれも即時抗告したという。
代理人によると、4人は日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれたフィリピン在住の79~82歳。
決定は、父が日本人であれば日本国籍を持つと定めた旧国籍法の「父」は、法律上の父を意味すると指摘。1人についてはDNA型鑑定で生物学上の父子関係を認めたが、4人とも父が認知した事実は認められないなどとして申し立てを退けた。
申立人の一人で、8月に外務省の支援で初めて訪日した竹井ホセさん(82)は代理人を通じ、「悲しくすごく残念。元気なうちに間に合うよう早く進めてほしい」とコメントした。 [時事通信社]