維新・藤田氏の“名刺晒し問題”に「地域性で品位が許容されるわけではない」「感情のコントロールができない下品なケンカ」と厳しい声

維新の藤田文武共同代表による記者名刺投稿問題について、専門家が「犬笛行為に該当する可能性がある」と指摘した。
事の発端は、しんぶん赤旗が10月29日に藤田氏の「税金還流」疑惑を報じたことだ。藤田氏側が公設秘書の会社に税金を原資とする多額の資金を支出していたと指摘する内容だった。
これに対し藤田氏は「すべて実態のある正当な取引」と反論。質問状への回答が記事に反映されていないとして、記者の名刺を自身のXに投稿した。
専門家が問題視する「犬笛」効果
毎日新聞の報道によると、専門家は記者の個人情報公開については「プライバシー侵害には当たらない」との見解を示した。記者は匿名性のある仕事ではなく、名前や所属部署について「プライバシーの合理的期待があるとは言えない」ためだという。
しかし、取材活動への妨害・威嚇行為については別の問題があると指摘。藤田氏が不都合な記事を出された直後に記者の名刺を投稿した経緯を踏まえ、「記者への攻撃や嫌がらせを意図した『犬笛』と見ることができる」と述べた。
「犬笛」とは影響力のある人物が一言呼びかけると、多数の人々が扇動される現象だ。専門家は「業務妨害や名誉毀損に相当する行為を誘発した、少なくとも認容していたとして、場合によっては藤田氏の行為が違法性を問われる可能性がある」と警告している。
政治家の品格を問う意見も
この問題を受けて、Yahoo!ニュースのコメント欄では多くの反応が寄せられている。
「自分と対立する記者に対し、個人情報を公開するという藤田氏のやり方は悪質であると感じる。自分が正しいと確信があるなら、そのことを説明すれば良いだけ」との批判的な声が目立つ。
また、「政治家には政策だけでなく、言動や態度にも品位が求められる。関西では『当たり前』とする声もあるようだけど、地域性で品位が許容されるわけではない」と、政治家の品格を問う意見も見られた。
一方で維新創設者の橋下徹氏と比較する声もあった。「当時の橋下のケンカの巧みさは別格だった。藤田みたいに感情のコントロールができない下品なケンカとは違う」との意見も見られた。
記事では、関西在住者からの「『維新しぐさ』が全国にバレてしまった」という声も紹介されている。関西では威圧的な態度が「当たり前の風景」となっているが、全国レベルでは通用しないのではないかという指摘だ。
維新は高市政権に協力し与党となったが、権力側のチェックを受けるという覚悟が問われている。
(「文春オンライン」編集部)