例年より1か月以上も早く流行しているインフルエンザ。去年あまり流行しなかったA型H3が主なタイプで、抗体を持つ人は少ないとみられます。医師によると予想以上の急拡大で、今後も増える見込み。「AI検査」やスプレー型ワクチンが注目されています。
12日、東京・豊島区の池袋東口まめクリニックを取材しました。
横瀬勇輝院長
「最高39℃以上の熱?」
患者
「はい。おととい大阪に行ってて、他の人からうつされたかも」
横瀬院長
「インフルエンザ陽性でてます」
藤井貴彦キャスター
「厚生労働省によると、11月2日までの1週間に、全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザの感染者数は暫定値で5万7424人。前の週(2万4282人)に比べて倍以上になっていて、急増していることが分かります」
「都道府県別では、宮城県と神奈川県で大きな流行の発生を示す警報レベルの基準に迫る勢いだということです。今がピークということなのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員
「まだピークとは言えません。これからさらに増える見込みです。東京歯科大学の寺嶋毅医師は、『来年1月くらいまでは警報級の波があって注意が必要だ』と話していました」
藤井キャスター
「今年のインフルエンザの特徴は、どんなものがあるのでしょうか?」
小栗委員長
「主なタイプは A型のH3というものです。去年あまり流行していなかったので、抗体を持っている人が少なく、かかりやすくなっているといいます。ただ寺嶋医師は『例年よりも1ヶ月以上も早く、これほど流行するというのは予想以上だった』と話しています」
小栗委員
「大阪・関西万博などで、既にインフルエンザが流行している国からの観光客が増えたことも理由の1つだとしています。体調不良を感じたらすぐにでも医療機関で検査してほしいと話していますが、そんな中、注目されているのが AI 検査です」
「カメラでのどの奥を撮影し、その画像と問診情報などで陽性か陰性かを判断します。一般的なインフルエンザの検査というと、鼻に綿棒を差し込む抗原検査で痛いですよね。AI 検査では痛みなしで診断でき、10数秒で 7割を超える精度で結果が分かります」
「保険が適用され、全国の約2000の医療機関で既に導入されています」
藤井キャスター
「ワクチン接種はした方がいいのでしょうか?」
小栗委員
「効果が出るのは接種から約2週間後と言われていますが、寺嶋医師は『今からでも予防接種を』と呼び掛けています。都内では感染者の 8割弱が 20歳未満で、学校などで子どもが感染するケースが多いということです」
「こうした子どもの感染予防に関しては、去年からスプレー型ワクチンも使われるようになっています。注射と違って痛みはなく、鼻の中に吹き掛けるだけです。ただ、大人には効果が弱いとされ、承認されていません。対象は 2~18歳となっています」
藤井キャスター
「インフルエンザのピークは、これからだということです。ワクチンを接種することができるという方は、選択肢の1つとしてお考えいただくのもいいのではないでしょうか」
(2025年11月12日『news zero』より)