福岡県田川市の私立「松原保育園」で、園児を殴ってけがを負わせたなどとして、同県警は19日、同園で保育士として働いていた20歳代の女を傷害と暴行の容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。県警は、女が園児への虐待を繰り返していた疑いがあるとみて調べを進める。
捜査関係者によると、女は今夏、同園で、園児の頭を殴ってけがを負わせるなどした疑い。
同園を巡っては、8月4日、給食を食べ終わるのが遅れた年長児クラスの園児に対し、女性保育士が大声を出しながら園児をたたいたのを園長が目撃し、市に報告。保育士は「いらついて手が出た」と認めたという。
問題を受け、県と市は同14日~10月17日に特別指導監査を実施した。7月18日~8月6日の保育室の防犯カメラ映像などを調べたところ、▽指示に従わないと殴ったり、頬をつねったりする▽食べるのが遅いと、嫌がっているのに口に食べ物を押し込む▽「頭悪いんか」などの発言や威圧的な大声での叱責(しっせき)を繰り返す――など計26件の虐待や不適切保育が確認された。
県と市は10月20日、園に勤務する保育士14人のうち逮捕された女を含む女性保育士10人(20~60歳代)が虐待などに関与したとして、園を運営する社会福祉法人「松原福祉会」に児童福祉法などに基づく改善勧告を出した。
園は問題発覚後の8~9月、今回逮捕された女を含む2人を懲戒解雇したという。