南アフリカで開かれた主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)に初参加した高市首相は、一堂に会した各国首脳と積極的に距離を縮め、日本の存在感アピールに努めた。(ヨハネスブルク 前田毅郎)
会議初日の22日夜(日本時間23日未明)、首相は自身のX(旧ツイッター)にサミット出席の成果を書き込むとともに、イタリアのメローニ首相と親しげにハグ(抱擁)を交わす写真を投稿した。サミットの合間に急きょ開かれたウクライナ和平の関係国会合の冒頭、各国首脳とあいさつを交わした際の一幕で、女性リーダー同士で早くも打ち解けた様子を見せた。
首相は初日だけで18の国・国際機関のトップと対話を重ねた。英国のスターマー首相とは初の対面会談を行い、安全保障協力の強化や中国を含む国際情勢を議論。トルコやベトナム、アフリカ連合(AU)の首脳らにも就任あいさつをした。
G20は近年、参加国の多さなどから合意形成が難航し、意義が揺らいでいるが、国際社会で影響力を増すグローバル・サウス(新興・途上国)と関係を築く貴重な機会だ。同行した尾﨑正直官房副長官は「多くの首脳とかなりのスピードで関係を強化している」と手応えを語った。