お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんに女性を紹介したなどとする週刊誌「フライデー」の記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、吉本興業に所属するお笑い芸人の渡辺センスさんが、発行元の講談社と編集責任者に1100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、名誉毀損の成立を認めて、講談社側に計220万円の賠償を命じた。
渡辺センスさん「完全に勝ったりました」
葛西功洋裁判長は「裏付ける客観証拠がないことを認識していたのに、取材者の供述のみに依拠して記事を執筆した」と批判した。判決後に報道陣の取材に応じた渡辺さんは「完全に勝ったりました。圧勝です。書いたもん勝ちには納得いかない。失ったものは大きく、週刊誌には反省してほしい」と話した。
訴状によると、フライデーは2024年1~4月、週刊誌やウェブサイトで、渡辺さんから誘われ、松本さんとの酒席に参加したとする女性の証言を報じた。女性は記事の中で「松本さんとの性的行為に応じられる友人を呼んでほしいと、渡辺さんから言われていた」という趣旨の話をしていた。
渡辺さん側は記事が虚偽・捏造(ねつぞう)で、社会的な評価が低下させられたと主張。記事によってテレビ番組出演の機会が一気に奪われて芸能活動に致命的な影響が出たと主張していた。
これに対して、講談社側は女性への取材に基づいたものだと反論。記事には公益性や公共性もあり、真実だと信じる相当の理由があったとしていた。【安元久美子】