1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑判決を受け、再審で無罪が確定した袴田巌さん(89)の姉ひで子さん(92)が26日、東京都内で記者会見した。再審制度の見直しについて議論が進む中、「証拠は検察官だけのものじゃない。隠すのはいかん」と訴えた。
法務省の法制審議会(法相の諮問機関)部会で証拠開示の範囲を限定的にしようとする議論が出ていることには「大反対です」と強く批判。「これでは巌は何のために拘置所に入っていたのか分からない」と強調した。
再審開始決定に対する検察の不服申し立て禁止も議論されているが、部会では反対や慎重意見が多数を占めている。ひで子さんは「早いところ終わりにしてもらわないと困る。禁止してほしい」と求めた。 [時事通信社]