《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分

高市早苗・首相と財務省のバトルがついに始まった。物価高対応を中心とする総合経済対策をめぐり、予算規模を小さくしようとする財務省に対して高市首相がやり直しを命じるなど、水面下の攻防が明らかになってきた。改めて存在感を増す”増税マフィア”だが、その中核をなす財務省の「隠された不祥事リスト」をすっぱ抜く。【全3回の第1回】
密輸を取り締まる立場で”密漁”
「積極財政」を掲げてガソリン減税など総額約21兆円の経済対策をまとめた高市首相に、財務省は70歳以上の高齢者の医療費窓口負担を「3割」へ引き上げることを主張し、国民負担増を押し付けようと画策している。
「高市政権では増税が難しそうだから医療費で取ってやれ」という攻め口を変えた”増税マフィア”たちの動きなのだ。
物価高騰に苦しむ国民に追い討ちをかけるような仕打ちだが、その財務省は身内の官僚にはズブズブに甘い。不祥事を起こして処分を受けた官僚を公表もしていなかった。
本誌・週刊ポストは過去1年(2024年4月~今年6月)の間に国家公務員法の処分を受けた11人の財務官僚のリストを情報公開請求で入手した。そこには国家の財政を担う役所にはあるまじき「金銭」がらみの不祥事から、文書改竄、盗撮、わいせつ行為などが並んでいた。
財務官僚たちが国民の知らないところで何をしでかしていたのかを見ていこう。
まずは「金銭」がらみの不祥事だ。
警察から遺失物を騙し取ろうとした大胆な犯行に及んだのが、財務省大阪税関の職員だ。
入手した「処分説明書」には、処分理由がこう書かれている。
〈大阪府関西空港警察署に保管中の化粧品等在中の遺失物を詐取することを企図し、令和6年11月12日午前11時50分頃、同警察署会計課に電話し、あたかも遺失物の遺失者であるかのようになりすまし、同警察署会計課職員に対し、本件遺失物を交付させようとしたが、同会計課職員に看破され、その意を遂げなかった〉
化粧品などが入った落とし物(遺失物)を本人になりすまして警察署から騙し取ろうとしたということだ。この職員が、落とし物が関空署で保管されていることをどうやって知ったのかなどの詳細は記載されていないが、関空には大阪税関の支署があり、職務上知った可能性もある。
この職員は大阪地検に送致されたが不起訴(起訴猶予)となり、大阪税関長名で「3か月間、減給1割」の処分とされた。
神戸税関の職員はアワビの”密漁”をしていた。