4日、山口県宇部市で広い範囲でガス漏れが起き、火災が複数発生しました。市内では1万世帯以上でガスの供給を停止していて、生活にも影響が出ています。
山口県宇部市の飲食店。お昼時ですが…
店長
「当店は都市ガスで全くガスが使用できなくて、営業ができない」
4日は臨時休業。
スーパー銭湯も…
「やってない」
銭湯に来た人
「しょうがないから家に帰って体を拭くか。皆さんいま見ていても次から次へと…中で聞いたら、いつ回復するか分からないと」
およそ1万2500件のガス供給が停止している宇部市。冷え込んだ早朝に「ガス漏れをしている」との通報が相次ぎました。
市中心部の広範囲にわたったガス漏れ。これまでに22件の火災が発生、2人がケガをしたといいます。
――家で火が出た
地元住民
「出ました。鍋置くじゃないですか、それからバーッと20センチくらい横にボッと」
至るところで上がった火の手。
地元住民
「この中。この辺まで火が上がった。ぬれた毛布をかけて、このくらいまでになったけど」
――天井近くまで燃えてますね
地元住民
「ガス炊飯器でご飯を炊こうとしたらシューと異常な音が出た」
――点火のスイッチ
地元住民
「入れたらボッと。元栓の閉めるところから出た。ボッとついたから元栓を閉めた」
――それでも
地元住民
「ずっと燃えた」
火は外にある元栓を閉めると消えたといいます。
市内に都市ガスを供給する山口合同ガスによりますと、ガス漏れの原因は、“ガスの圧力異常”。市内に29あるという「ガバナ」という設備の1つに異常が生じたとみられています。
「ガバナ」について、都市ガスを供給する事業者からなる日本ガス協会に聞きました。
日本ガス協会・技術部保安グループ 中澤一哉さん
「ガスの圧力を家庭で使う圧力に下げるため、地区に設置している。ガス機器で使用できる圧力まで下げるのがガバナ」
ガスの圧力をコントロールするもので、どこにでもあるものです。首都圏の場合はおよそ4000か所あるといいます。
日本ガス協会・技術部保安グループ 中澤一哉さん
「通常想定している圧力よりも高い圧力になってしまうと、炎が大きくなったりは考えられる。かなりレアケース」
まさかの事態に見舞われた宇部市では、生活への影響は大きく、都市ガスを使う学校では給食を非常用カレーに変更しました。
先生
「いざという時のためによかったね。給食なしじゃなくて」
さらに、暖房も…
宇部市立見初小学校 校長
「教室のエアコンが全てガスから来ているので、つけてはいけないと」
山口合同ガスは午後5時から会見を開きました。
山口合同ガス担当者
「整圧器(ガバナ)の異常が原因だと考えております。通常の約12倍の圧力がかかったと考えられます」
圧力が高くなった理由は分かっていませんが、今年2月に点検した際には異常はなかったといいます。
山口合同ガス担当者
「全体復旧の見込みは現在、調査中」
山口合同ガスは換気を呼びかけるとともに、従業員が1軒ずつ安全確認を行っているということです。