中国「事前通知」は不十分=空自機からのレーダー照射否定―小泉氏反論

小泉進次郎防衛相は10日、中国軍機による航空自衛隊機へのレーダー照射を巡り、中国側から飛行訓練を始めるとの通報があったと明かすとともに、規模や空域といった「危険回避のために十分な情報」はなかったと批判した。空自機からのレーダー照射も否定した。
訓練を事前通知したとする音声データを中国メディアが9日に公開したことを受け、防衛省で臨時の記者会見を開いた。
防衛省によると、中国海軍の空母「遼寧」から発艦したJ15戦闘機が6日、沖縄本島南東沖の公海上空で、対領空侵犯措置に当たっていた空自F15戦闘機に断続的にレーダーを照射した。
小泉氏は「中国艦艇から海上自衛隊の護衛艦に対して飛行訓練を開始する旨の連絡があり、内容を聞き取った」と説明。一方、訓練の時間や場所の緯度・経度を示す航空情報(ノータム)と航行警報は発出されていなかったと改めて指摘した。
その上で「自衛隊が対領空侵犯措置を適切に行うことは、訓練に関する事前通報の有無にかかわらず当然だ」と強調。木原稔官房長官も会見で、「中国側が約30分にわたる断続的なレーダー照射を行ったことが問題の本質だ」と述べた。
中国メディアは中国軍機も空自機のレーダーを感知したと報じたが、小泉氏は「レーダーを使用した事実はない」と反論した。
音声データによると、中国軍が艦載機訓練の実施を通知し、海自側が「メッセージを受け取った」と応じている。防衛省は自衛隊の記録と照合していないとしつつ、内容に大きな食い違いはないとの認識を示している。 [時事通信社]