クマ保険に230自治体が加入 駆除の流れ弾、宿泊キャンセル、撃退スプレー購入に対応

全国で相次ぐ「クマ被害」を対象とした保険が注目されている。東京海上日動火災保険は12月から、クマの敷地侵入によって一時閉鎖に追い込まれた宿泊施設などに対し、予約キャンセル分の損失を補う保険を発売。撃退スプレーの購入や従業員の通勤手段変更などにかかる費用、簡易電気柵の設置費用を最大年1千万円まで補償する内容で、12日時点で100件以上の問い合わせがあるとしている。
同社は9月に「緊急銃猟」制度が施行された際にも、流れ弾を受けた建物などの被害を補償する保険をつくった。これまでに約230の自治体が加入しているという。
一方、運転中にクマと衝突した場合は、基本的に物損事故として扱われる。損害保険ジャパンによると、車両保険付きの自動車保険に加入していれば、修理費などが補償されるという。襲われてけがをした際の入院費は通常の傷害保険で、クマに自宅の外壁などを傷つけられた場合は「不測かつ突発的な事故」を含む火災保険で補償される。(永礼もも香)