被害者はHKT48の男性スタッフと岡山の会社員 福岡の刺傷事件

14日午後5時ごろ、福岡市中央区地行浜2の商業施設「ボス イーゾ フクオカ」で「女性が刺されている。うつぶせ状態。背中から刺されている」と119番があった。福岡県警によると、施設の出入り口付近などで岡山県倉敷市の女性会社員(27)と福岡市中央区の男性会社員(44)の2人が刃物のようなもので刺され、病院に搬送された。いずれも意識はあるという。刺したのは男性で、凶器を所持した状態で現場から逃走したとみられ、県警は殺人未遂事件とみて行方を追っている。
県警によると、男性会社員は、「イーゾ」に隣接するみずほペイペイドーム福岡の1階エレベーターホールで左胸を刺された。ホールは関係者用で、部外者とみられる男性がいたため、「ここにいてはいけません」と声をかけたところ、突然刺された。
アイドルグループ「HKT48」のホームページ(HP)によると、イーゾには活動拠点の劇場や運営会社が入居し、刺された男性会社員は運営会社のスタッフだった。劇場は休館日で、事務所内にいたメンバーは全員退避し無事だった。
一方、みずほペイペイドーム福岡では14日午後3時ごろから人気男性アイドルグループのコンサートが開かれていた。もう一人の被害者の女性会社員はこのコンサートに来ていたとみられる。男性会社員とは別の場所で背中を刺されたとみられ、イーゾの出入り口付近で倒れているところを発見された。女性会社員は県警に「刺したのは60代ぐらいの男性」と話したという。
県警によると、刺した男性は身長160センチぐらいで、上下黒色の服。眼鏡と白色マスク、黒の帽子を着用していた。
HKT48側はHPで「今回の事件を受け、メンバー・スタッフの安全を確保すべく、施設側とも協議を行い、さらなる警備強化を実施してまいります。(被害者の2人には)1日も早くご回復されることを心からお祈り申し上げます」とコメントした。
札幌市から男性アイドルグループのライブを見に来ていた30代の女性は「ライブが終わって外に出たら、パトカーが集結し、ヘリコプターも飛んで騒然としていた。何ごとかと思った。人が刺されて、犯人が逃げていると聞いて怖くて急ぎ足で離れた」と話した。【金将来、栗栖由喜、川畑岳志】