殺虫スプレー特許訴訟、「金鳥」側の請求棄却…東京地裁「アース製薬の特許権侵害を認めず」

殺虫スプレー「蚊がいなくなるスプレーシリーズ」に関する特許権を侵害されたとして、「金鳥」ブランドで知られる大日本除虫菊(大阪)がアース製薬(東京)を相手取り、商品の製造差し止めなどを求めた訴訟で、東京地裁(高橋彩裁判長)は17日、原告側の請求を棄却する判決を言い渡した。
原告側は、スプレーから噴射した薬剤を壁などに長時間付着させ、蚊の防除効果を高めるという発明の特許権を登録している。訴訟では、同様の効果を持つ被告の商品が特許権を侵害していると主張した。
これに対し判決は、原告側が特許出願した際の文書には、薬剤の付着量の測定方法に関する具体的な記載がないなどと指摘。「特許請求の範囲が不明確で、特許は無効とされるべきだ」とし、被告側に特許権侵害はなかったと結論づけた。
大日本除虫菊は判決後、「準備が整い次第、控訴する」とコメントした。