2025年5月2日、佐賀市の老人ホームで、入所者の柳瀬忠雄さん(当時87)に腰や胸を足で複数回踏み付けるなどの暴行を加え、死亡させた介護士・下津浦弘平被告(36)の裁判。
佐賀地裁は「生命侵害のおそれが非常に高く、著しく危険な態様であった」と厳しく指摘した。
未明~早朝の事件 老人ホームに入所する87歳男性への暴行
判決によると下津浦弘平被告(36)は2025年5月2日午前4時ごろから午前6時30分ごろまでの間に、佐賀市北川副町にある「有料老人ホームちとせ」1階静養室で、ベッド上でうつ伏せにさせた柳瀬忠雄さん(当時87)に対し、その腰付近を足で複数回踏み付けた。
さらに、下津浦被告は柳瀬さんを仰向けにさせた上で、その胸付近を足で複数回踏み付けるなどの暴行を加えた。
87歳男性 右の腎臓の破裂による外傷性ショックで死亡
介護士・下津浦被告の暴行により、柳瀬さんは右の腎臓破裂・肋骨多発骨折の傷害を負い、2日午前8時5分ごろ運ばれた病院で右の腎臓破裂に基づく外傷性ショックにより死亡した。
裁判所「生命侵害のおそれが非常に高く、著しく危険な態様」厳しく指摘
12月17日の判決で佐賀地裁(山田直之裁判長)は犯行態様について
「下津浦被告と柳瀬さんとの体格差や柳瀬さんが高齢で介護を要する身であったことのほか、とりわけ柳瀬さんの腰付近に両足を乗せた状態で100kg以上もの強い負荷をかけ踏みつけて飛び降る暴行にまで及んでいることに鑑みると、生命侵害のおそれが非常に高く、著しく危険な態様であったといえる」
と厳しく指摘した。
この判決は全2回に分けて掲載しています。①【事件の全貌】87歳入所者男性の暴行死 老人ホームで何が…男性の腰に両足を乗せた36歳介護士の男の「著しく危険」な犯行【判決詳報】