2021年に自殺した東海大付属福岡高(福岡県宗像市)2年で剣道部の男子生徒(当時17歳)が、いじめで精神的苦痛を受けていたとして、生徒の母親が同部の元上級生に損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、福岡地裁であった。加藤聡裁判長は生徒へのわいせつ行為を認め、「尊厳や性的羞恥心を大きく損なうものだった」として元上級生に165万円の賠償を命じた。
生徒は「侑大(ゆうだい)」(名字は非公表)さん。判決によると、元上級生は19年6月、あおむけに寝かせた侑大さんを粘着テープで固定し、下着を脱がせてわいせつ行為を行い、他の部員にスマートフォンで動画撮影させた。わいせつ行為は男子部員ほぼ全員の前で行われ、動画は一部部員にSNSで送信された。
元上級生側は「部員同士の遊びの一つ」などと主張したが、判決は「お仕置き」だったと認定し、「強制わいせつ罪に当たるような犯罪行為だ」と述べた。