「日本列島を、強く豊かに」新ポスター発表
手のひらを上に向け、ポーズを決めた高市総理。自民党が発表した新ポスターです。
自民党 鈴木貴子 広報本部長 「キャッチコピーは『日本列島を、強く豊かに』です。まさに早苗スマイルと総裁の手の動きであらわさせて頂きました」
その高市総理が初めて臨んだ臨時国会が12月17日、閉幕。
「高市カラーは出せたか」の質問に…
高市早苗 総理大臣 「高市カラーなるものがどういうものなのか、自分では『ようわからん』というところもあるが、内閣発足以来、国民の皆様が直面している物価高への対応を最優先に働いてきたつもり」
最新の高市内閣の支持率は75.8%、若年層では88%と圧倒的。
「世界で最もパワフルな女性」3位に選出
海外メディアの評価も、好意的なものが多く見られます。
12月、アメリカの経済誌「フォーブス」は「世界で最もパワフルな女性」100人を発表し、3位に高市総理を選出。日本初の女性総理誕生に、「世襲制や男性優位の政治が長く続いてきた国において、現状からの脱却を意味する」と評しました。
さらにアメリカのAP通信は、「高市氏は『政治』ではなく、その『スタイル』と『働いて、働いて』というスローガンで支持を集めている」と見出しに掲げます。
高市総理の言葉が流行語大賞を受賞したことや、ファッションなどが注目を集め、「サナ活」といった言葉が生まれたことなどを紹介しました。
東京科学大学でコミュニケーション論の講義を受け持つパトリック・ハーランさんは、こうした海外メディアの見方について…
東京科学大学 非常勤講師(国際関係)パトリック・ハーランさん 「就任したあたりは“極右”という声が結構多かったんですけど、笑顔だし言葉使いが強いし、エネルギーを感じる。そこが評価されている。真珠に青いジャケットの雰囲気が日本でバズっていると伝えられているし、『サッチャーを思い出す』という言い方もよくあります」
英メディア「偽サッチャー」と辛口評価も
高市総理がかねてより憧れの政治家として名をあげるのが、イギリスのサッチャー元首相。
高市早苗氏(2025年9月) 「和製版サッチャーとは言いませんが、でも強い信念と実行力は負けん」
イギリス初の女性首相に就任し、強引ともとれる政治姿勢から「鉄の女」と呼ばれました。
政策面では、このサッチャー氏とからめて、高市総理に辛口な海外メディアもあります。
イギリスのテレグラフは、「日本の“偽サッチャー”が債券市場を吹き飛ばす」と、高市政権の財政政策を揶揄。例として挙げたのは、就任わずか45日で辞任に追い込まれた、イギリスのトラス元首相でした。
トラス首相(2022年当時) 「経済成長のために減税と改革を大胆に実行します」
2022年、トラス元首相が、大規模減税と景気刺激策を打ち出した結果、金融市場の信認を失い、株・債券・通貨が急落する、いわゆる「トラス・ショック」を招きます。
テレグラフの記事は、この例を挙げた上で、「サッチャー氏が財政規律に極めて厳格だったことを高市氏は理解していない」と、批判的に論じたのです。
“台湾有事”めぐる発言 海外で割れる評価と懸念
そして何より、海外が注目したのは、高市総理の台湾有事をめぐる発言でした。
ワシントン・ポスト(11月27日) 「日本の首相が、伏せられてきた本音を口にした」
高市早苗 総理大臣 「これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます」
中国が台湾を海上封鎖し、武力行使に至った場合、日本が集団的自衛権を発動させる「存立危機事態」になり得るとの発言。
これに対してアメリカのワシントン・ポストは、「日本の首相が、伏せられてきた本音を口にした」と題するコラムを掲載します。「声高に主張することから得られるものはほとんどない」、「抑止力には不必要な挑発は不要」と厳しく指摘。むしろ、「台湾に関するトランプ大統領の曖昧さは、いらだたしいが効果的」と評しました。
また、ロイター通信は、「高市氏の台頭は、日中が、軍事力増強を最優先事項とする指導者に率いられることを示し、防衛費の大幅な増額と平和憲法の改正を意味する」、それによって「習主席の地域的野心に再び火がつけられることになる」と警鐘を鳴らします。
こうした海外の受け止め方について、ハーランさんは…
東京科学大学 非常勤講師(国際関係)パトリック・ハーランさん 「世界の評価も国内と一緒で割れている。『もっと高市さんみたいにはっきりと強い発言で(中国を)牽制すべきだ』、『これは今までの日本と違う』、『日本は地域安定のリーダーになりつつある』という声もあります。高く評価する人と、危険性を感じる人、両方いる」
中には、高市総理の“勢いのある”発言に、懸念を覚える声もあるといいます。
東京科学大学 非常勤講師(国際関係)パトリック・ハーランさん 「海外の目線から見れば、今までの日本と違う人が選ばれたことで、期待値も高い。勢いよく政権を取って強い政策を打ち出して、方向転換を果たした後に、行き過ぎた、間違った方向にいった例は、世界のポピュリズムとかナショナリズムに似ている。そういう強い懸念の声もある」
高市政権の発足から約2か月、世界の評価は、今後、どう変わっていくのでしょうか。