H3ロケット8号機、第2段エンジン不具合で打ち上げ失敗 準天頂衛星「みちびき」失う

日本の主力大型ロケット「H3」8号機が、2度にわたる延期を経て22日午前10時51分30秒、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げられた。だが、上空で第2段エンジンに不具合が発生。燃焼が計画より早く終了して予定の軌道に到達できず、搭載する国の準天頂衛星「みちびき」5号機の分離・軌道投入ができなかった。打ち上げは失敗した。
燃焼が計画とは異なる早期終了となった原因は不明で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が確認を急いでいる。H3の打ち上げ失敗は、令和5年3月の初号機以来、2度目となる。
みちびきは、カーナビゲーションシステムなどに使われる米国の衛星利用測位システム(GPS)の日本版を担い、現在は5機で運用している。今回で6機に拡充した上で、本格的な運用が可能となる7機体制を、令和7年度中に完成させる計画だった。
8号機は当初、7日の打ち上げを予定していたが、準備段階で機体の部品に不具合が見つかり、17日に延期された。17日は発射台に機体が置かれた状態で打ち上げを待っていたが、予定時刻直前に発射台側の装置に不具合があると判明し、再度延期されていた。これらの不具合と、今回の打ち上げ失敗との関連は分かっていない。
H3は、6月に引退した先代の主力大型ロケット「H2A」の後継機。民間企業の衛星打ち上げなど、急拡大中の宇宙輸送需要の獲得を狙い、顧客にとって打ち上げ費用が安く使いやすいロケットとして開発された。