国内最大級のスカウトグループ「ナチュラル」に捜査情報を漏らしたとして、警視庁暴力団対策課警部補(43)が逮捕された事件で、警視庁は23日にも警部補を懲戒免職とする方針を固めた。事件当時の上司約10人も処分する方針だ。
警部補は4~7月、ナチュラルの関係先に設置された捜査用カメラが撮影した画像のほか、カメラの設置場所などをまとめたリストをナチュラル側に漏えいしたとして、11月12日以降、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で2回逮捕された。
撮影画像とリストは、ナチュラルが独自開発した秘匿性の高い通信アプリを通じて、メンバーに送信していたとされる。警部補宅からは現金約900万円が押収されており、同庁は漏えいの見返りの有無についても調べている。
関係者によると、警部補以外の警察官の関与は確認されていない。同庁は、監督責任があるとして、直属の上司の暴力団対策課係長を戒告の懲戒処分とするほか、当時の同課課長らを訓戒や注意などとする。
同庁によると、警部補は2020年12月に同課に着任し、23年頃から今年4月まで、ナチュラルの関与が疑われる事件の捜査を担当していた。