日本維新の会は連立政権合意書に明記された社会保障改革を目指し、自民党と協議を重ねてきたが、2026年度予算案への反映は小幅にとどまった。維新は「改革は道半ば」として、社会保障給付の見直しや社会保険料の削減などを引き続き求めていく構えだ。
「単年度でいきなり目標を達成することは難しい」
維新の斎藤政調会長は24日、政府の診療報酬改定作業の決着を受け、党が掲げる社会保障改革の現状に関し、記者団にこう述べた。
維新は年々増大する社会保障関係費の抑制を図ろうと、「国民医療費の年4兆円削減、現役世代1人あたりの社会保険料を年6万円引き下げる」と掲げており、野党時代の3月から自民と協議を続けてきた。
中でも、市販薬と成分や効果が似る「OTC類似薬」の保険適用除外を強く訴えた。社会保険からOTC類似薬への支出を止めることで、国民の社会保険料負担の軽減につながるとの考えからだ。7月の参院選でも公約の柱に据え、約7000品目全てで保険適用除外を主張した。
一方、自民は「患者の負担増につながる」などとして難色を示し、両党の実務者協議では結論が出なかった。維新内には「自民の厚生労働族議員に阻まれた」と見る向きもある。
最終的に両党政調会長が19日、政治決着の形で合意を図った。OTC類似薬のうち、湿布薬や胃腸薬など約1100品目について、保険適用は維持した上で、薬剤価格の4分の1の追加負担を患者に求める。ジェネリック医薬品(後発薬)のある先発薬の自己負担引き上げでも一致し、医療費の削減効果は全体で約1880億円が見込まれる。
維新は診療報酬を議論する「中央社会保険医療協議会」の改革も要望。骨子に関して、来年3月までに合意すると連立合意書に盛り込まれたが、検討はこれからだ。
維新中堅は「与党として主張したから実現したものもある」と成果を強調するが、自民内では「維新の提案自体にはそもそも無理がある」との声も漏れる。