高市首相は27日、来年1月4日までの予定で年末年始の休暇に入った。期間中は東京都内で過ごし、年内に東京・赤坂の衆院議員宿舎から首相公邸に引っ越す予定だ。首相官邸に隣接する公邸に入居し、危機管理に万全を期す狙いがある。
首相は、冬休み初日となった27日を議員宿舎で過ごした。期間中の公務としては、30日に東京証券取引所での大納会の式典に出席し、元日には皇居で行われる新年祝賀の儀に参列する。仕事始めは1月5日の三重県伊勢市の伊勢神宮参拝で、現地で年頭記者会見に臨む予定だ。
引っ越しを巡り、首相は今月21日に自身のX(旧ツイッター)で「近日中に住み慣れた議員宿舎を離れ、公邸に居を移したい」と明らかにし、「危機管理は、国家経営の要諦だ」と強調した。
公邸は執務を行う官邸と同じ敷地内にあり、徒歩1分で着く「職住近接」が最大のメリットだ。災害発生時など不測の事態に迅速な対応が可能となる。11月には下見を行い、車いすを使用する夫の山本拓元衆院議員のため、バリアフリーの状況や居住スペースなどを確認したという。
公邸は1929年に建てられ、官邸として使用。移築、改修を経て、2005年に当時の小泉純一郎首相が公邸として入居した。歴代首相でみると、安倍晋三元首相は第1次政権で公邸に入居したが、首相に返り咲いた後は「自宅の方がゆっくり休める」として主に東京・富ヶ谷の私邸から官邸に通った。菅義偉元首相も議員宿舎に住み続けた。