福岡県教育委員会が新年度、難関大学進学などで実績のある県立高の課外授業を動画で配信し、他の県立高に通う生徒も視聴できる専用サイトを創設する方向で調整していることがわかった。4月からの私立高実質無償化で県立高離れが進むことへの懸念から、学校の枠を超えて魅力向上を図る狙いがある。(手嶋由梨)
動画配信を検討するのは、県内トップレベルの進学校などで指導力のある教員の課外授業。東大や京大など難関大の入試対策のほか、それ以外の大学進学、就職希望者の公務員試験や面接対策なども含め、多くの県立高で活用できる内容を想定している。
県教委は2023年度から難関大入試に向けたオンライン講座を夏に開講し、25年度は修猷館(福岡市)、福岡(同)、小倉(北九州市)、東筑(同)、明善(久留米市)の5校の教員の課外授業を他校の生徒・教員も含む約180人が受講した。これを参考に、いつでも視聴可能な動画サイトをつくり、ニーズに合わせて内容を充実させたい考えだ。
私立高授業料は新年度から世帯の所得要件が撤廃され、支給上限が一律年45万7000円へ引き上げられて実質無償化される。そのため施設や進学サポートが充実した私立高人気が高まるとみられ、先行実施する大阪府では昨春、府立高の志願倍率が過去最低の1・02倍と「公立高離れ」が指摘されている。
伝統的に県立高人気の高い福岡県でも、昨春の志願倍率は1・11倍と10年前(1・26倍)に比べて低迷している。県教委は「優秀な教員という『教育資源』を活用して魅力を高めていきたい」としている。