最大震度7を観測し石川、新潟、富山3県で災害関連死を含め698人が亡くなった能登半島地震は1日、発生から2年となった。地震で684人が死亡、令和6年9月の豪雨で20人が犠牲となった石川県は、輪島市で追悼式を開催。参列者が黙(もくとう)をささげた。
審査会設置は自治体の努力義務
能登半島地震では2年がたった現在も災害関連死の認定が相次ぎ、直接死の2倍を超えて計475人に上る見通しだ。高齢化の進む地方では今後も災害に伴う関連死の発生が懸念されるが、認定に必要な審査会の関連規定を整備したのは、全国市区町村の約4割しかないことが内閣府の調査で判明している。
災害関連死は「災害弔慰金法」に基づく支給対象に認定されることで定まる。令和元年の法改正で法整備された。同法では審査会設置は地方自治体の努力義務とされる。実際は対外説明を果たすため、災害と死因との因果関係について有識者の判断を求める審査会の設置は事実上、必要事項となっている。
能登地震では審査開始ずれ込み
しかし、能登半島地震では、6年1月の発生時点で被災自治体に審査会関連規定がなく、石川県が主導して合同審査会を設置。審査開始は同年5月にずれ込んだ。
こうした状況を受け、内閣府は実態把握のために全国1741市区町村(東京23区を含む)に対し、7年8月末時点で条例に審査会設置や委員選定方法を定めた規定があるかについて調査。整備済み685▼委員選出方法などの関連規定がない76▼設置規定自体がない979-だった。
都道府県別では香川、滋賀両県でゼロだが、石川県は100%。担当者は「災害事例のない都道府県は低い傾向がある」と説明する。
小規模自治体には対応難しく
内閣府は調査結果を受けて10月30日付で通知を出し、各都道府県に自治体への支援を求めた。地方では委員となる医師や弁護士の確保が困難な実情もある。都道府県のほか、複数自治体による広域事務組合へ事務を委託する例もあるという。
災害福祉に詳しい鍵屋一・跡見学園女子大教授は「ノウハウの蓄積がない中、小規模自治体が率先するのは現実的ではない。地方医療整備を担う都道府県単位でサポートすべきだ」と話した。(市岡豊大)