国民民主党が、政府・自民党への接近を強めている。2026年度予算案などに国民民主の看板政策が相次いで取り入れられたためで、与党内には連立入りを求める声もある。ただ、選挙区調整などの課題を理由に国民民主内には与党入りに慎重意見が多く、玉木代表は状況を見定める構えだ。
玉木氏は4日、三重県伊勢市での記者会見で、高市政権との距離感について、「以前に比べて信頼関係は醸成された。信頼の度合いに応じて、連携の幅は広がっていく」と強調した。
昨年秋の臨時国会で、国民民主と自民はガソリン税の暫定税率廃止や所得税の非課税枠「年収の壁」の178万円への引き上げで合意した。これを受け、玉木氏は来年度当初予算成立への協力を約束した。
国民民主は政策ごとに与党と協議する「政策本位」を掲げてきただけに、自民内には「連立入りの布石だ」(幹部)と見る向きもある。与党は参院で少数のままで、政権運営の安定化は急務だ。日本維新の会の中にも国民民主の連立入りを求める声が出始めている。
もっとも、与党入りしたその維新が政策実現に苦戦していることもあり、国民民主内には「与党になるメリットはない」(中堅)との指摘は多い。支持母体の連合も連立入りには反対の立場を崩していない。
現行の衆院選挙制度では、与党との候補者調整も懸案となる。
国民民主は党勢拡大を目指し、次期衆院選の小選挙区に40人の擁立を内定しており、更に積み増す方針だ。与党入りすれば、取り下げを迫られる可能性もある。こうした事情から、玉木氏は複数政党が協力しやすくなる「中選挙区連記制」への移行が必要と唱える。
玉木氏は、維新や公明党を念頭に、閣外から政策ごとに自民と協力する「閣外協力政党連絡協議会」の創設を主張した時期もある。国民民主内には、同じ中道勢力として公明との連携を期待する意見も少なくなく、玉木氏は今後の党の立ち位置を巡り、「どんな形が一番いいか見極めたい」と周囲に語る。
一方、立憲民主党の野田代表は、ともに連合の支援を受ける国民民主に関し、「完全に与党だ」と批判する。公明幹部も「与党に行くつもりなのか」と気をもんでおり、玉木氏は難しいかじ取りを迫られそうだ。