北海道の釧路湿原国立公園周辺で太陽光発電施設の建設が相次いだことを受け、釧路市が太陽光パネルの設置を規制する条例を施行した昨年10月以降、新規の建設計画の届け出が一件もない状態が続いている。市は一定の抑止効果が働いたとみている。
条例は、出力10キロ・ワット以上の施設の設置を許可制とし、国特別天然記念物タンチョウや市天然記念物キタサンショウウオなどの希少生物に影響を与える場合は許可しない。事業者には生物の保全計画の作成や住民説明会の開催を求め、命令に従わない事業者名の公表も盛り込んだ。市環境保全課には6日現在、具体的な建設計画の相談はなく、担当者は「釧路の問題が全国的に注目されたことに加え、条例制定で事業者が慎重な判断をしているのではないか」と話す。
一方、条例は今月1日以降の事業着手が対象で、昨年12月末までの着工分は適用外となる。市内では、森林法や土壌汚染対策法に違反していた大阪市の事業者が昨年末、複数箇所で相次いで着工し、地元の町内会などは「条例適用前の強引な駆け込みだ」と工事の中止を訴えている。
太陽光発電施設の建設を巡っては、国も釧路湿原国立公園の拡張など、規制強化や支援廃止の方向へ舵(かじ)を切っている。