伊藤忠商事元社長の丹羽宇一郎さん死去…民間人で駐中国大使務めるが「尖閣」巡り退任

元伊藤忠商事社長で、駐中国大使も務めた丹羽宇一郎(にわ・ういちろう)氏が2025年12月24日、老衰で死去した。86歳だった。葬儀は今年1月5日に親族のみで執り行われた。
丹羽氏は愛知県出身で、1962年に名古屋大法学部を卒業後、伊藤忠に入社。主に食料部門を歩み、98年に社長に就任した。
2000年3月期の決算では、バブル経済の崩壊で拡大した不動産など約4000億円規模の不良債権処理を断行。食料・生活関連などへ経営資源を集中させて業績を急回復させた。04年に会長職に就いてからは、政府の経済財政諮問会議の民間議員や地方分権改革推進委員会委員長などを歴任した。
伊藤忠の社長や会長として中国との貿易・投資に積極的に取り組み、中国政府関係者との人脈の広さでも注目を集めた。10年には当時の民主党政権が掲げた「脱官僚依存」の一環で、民間人としては戦後初となる中国大使に起用された。
就任直後には、沖縄県の尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突する事件が発生し、日中関係が極度に悪化する中で関係改善に取り組んだ。ただ、東京都による尖閣諸島の購入計画について「日中関係が極めて重大な危機に陥る」などと懸念を表明したことが問題視され、12年に就任から2年余りで退任した。15年から24年までは日中友好協会の会長を務めた。