会長なりすましメール、酒田観光物産協会2300万円詐欺被害…半日に60通「冷静に判断する余裕を失う」

一般社団法人「酒田観光物産協会」(山形県酒田市)は14日、同協会の西村修会長の名前をかたるメールをきっかけとしたやりとりで、協会の資金約2300万円をだまし取られる「なりすまし詐欺」の被害に遭ったと発表した。同協会は14日、山形県警酒田署に被害届を提出し、受理された。
協会によると、9日午前、経理担当職員のメールに、西村会長の名前が付いたアドレスで、「新しくLINEグループを作成いただきたく存じます」などとするメッセージが届いた。アドレスは別物だったが、本人と信じ、経理担当職員2人と専務理事が入るLINEグループがつくられた。
4日後の13日午前、会長を名乗る人物から「2300万円を送金します。受領次第、ただちに振込手配を」「先方の顧客から急かされています」「午後に確実に入金があります」などのメッセージが立て続けに届いた。そのため、入金を確認しないまま職員が銀行窓口で、協会口座から指定口座に約2300万円を振り込んだという。その後、不審なメールが届いていた西村会長が、注意を促すメールを協会に送ったことで、被害が判明した。
14日に同協会で記者会見した西村会長は「内部管理体制、確認体制が不十分だったことに起因する。代表者である私の責任は極めて重く、信頼を損なう結果となったことを深く反省している」と謝罪した。
当時、相手からのメッセージは半日で約60通に及んだといい、同席した小松原毅専務理事は「冷静に判断する余裕を失う状況だった」と釈明した。
今後、決裁・送金手続きの見直し、複数人による確認の徹底などの再発防止策を講じるという。
酒田観光物産協会は約350個人・法人で構成し、会費や市内の商業施設で運営する観光物産館での物販が収入の柱となっている。被害の前は現金約5400万円の資金があったといい、今後の店舗運営や事業継続には支障がないという。