高市首相は相次いで来日した韓国、イタリアの両首脳を「高市流」で手厚く迎え入れ、外交ウィークを終えた。各国首脳と個人的関係を構築し、中国や米国への対応などで連携したい考えだ。衆院選を見据え、SNSを積極的に活用して、外交成果を幅広い層にアピールしている。(太田晶久、高田彬)
「日本国民と共に、ジョルジャの誕生日をお祝いします」
高市首相は16日、イタリアのメローニ首相と行った共同記者発表の冒頭、前日に誕生日を迎えたメローニ氏をファーストネームで呼び、こうお祝いの言葉と拍手を送った。
その後の昼食会では、高市首相はサプライズでケーキを出し、イタリア語でバースデーソングを歌った。メローニ氏は「イタリア語が完璧だ」と感激した様子を見せたという。メローニ氏は、13日の日韓首脳会談後に高市首相と韓国の李在明(イジェミョン)大統領がそろってドラムを演奏した動画を見たことも明かし、「素晴らしかった」とたたえた。
動画は首相官邸がSNSに投稿し、国内外のメディアで取り上げられた。インスタグラムの投稿には、77万超の「いいね」がついた。首相側近は「韓国側も好意的に受け止めてくれており、動画投稿は大成功だ」と手応えを語る。
高市外交は、課題も抱えている。台湾有事を巡る首相の国会答弁を機に日中関係は冷え込み、中国は、日本へのデュアルユース(軍民両用)製品の輸出禁止など経済的威圧を強めている。各国が米国のトランプ大統領が主導する外交に影響を受ける中、高市首相は、トランプ氏を含めた各国首脳と親密な関係を築き、日本の外交関係の安定につなげようとしている。
日韓、日伊の両首脳会談では、中国を念頭に、経済安全保障協力の強化に重点を置き、重要鉱物などのサプライチェーン(供給網)の強化などを確認した。
日本政府関係者は「中国が日本の孤立化を狙う中で、対中を意識し、両国との連携を確認できたことは大きい」と振り返った。