工作機械メーカー関連会社の機密情報を不正入手か ロシア人“スパイ”の男と日本人の元社員を書類送検 偶然装い接近か その手口とは…

国内の工作機械メーカー関連会社の機密情報を不正に入手したとして、ロシア人スパイの男と日本人の元社員が警視庁公安部に書類送検されました。
警視庁公安部によりますと、在日ロシア通商代表部の元職員で、ロシア人の男と国内の工作機械メーカー関連会社の元社員の男性は、2024年11月と去年2月、男性が勤めていた会社の新商品に関する開発情報などの機密情報を不正に入手した疑いがもたれています。
警視庁公安部が、2人の動きを把握したことで事件が発覚したもので、男性は見返りとしてこれまでに70万円ほどを受け取ったとみられています。
警視庁は男性の認否を明らかにしていません。
一方で、ロシア人スパイは、出頭要請に応じることなく、すでに帰国していて、警視庁公安部は、ウクライナに侵攻中のロシアが、軍事転用が可能な最先端技術を持ち出そうとしていたとみています。
◇◇◇
日本国内で活動するロシア人スパイ。どういった手口で情報を入手していたのでしょうか。警視庁担当の島津記者に聞きます。
手口としてポイントは2つです。1つめは「偶然を装い接触、そして親密に」、2つめは「連絡先は交換せず」です。
まず、1つめの「偶然を装い接触」ですが、まず日本人男性にウクライナ人と偽って「道を聞くふり」をして近づきます。
ただ、この男、実はロシアの情報機関「SVR」の職員で、スパイでした。
すでにこの時、スパイは男性をターゲットと定めて、偶然出会ったふりをしていただけで、実際はその先の機密情報を狙っていたことになります
スパイは日本語が堪能で、「お礼をしたいから、また今度会いましょう」などと言って、その後、少なくとも10回、首都圏の飲食店などで繰り返し会い、スパイは仕事の愚痴を聞くなどして、親密になると、日本人男性から会社の機密情報などを口頭で聞き出していたということです。
次に2つめのポイントですが、2人は連絡先などは一切交換せず、会った際に「次の日時と場所」、さらに会えなかった場合の「予備日」まで決めていたといいます。
これは、メッセージなどの痕跡を残すことで、スパイ活動が発覚するのを防ぐためだったとみられています。
捜査幹部は、この2つを「ロシアの古典的な手法」としています。
──道を聞かれた相手がスパイというのは考えつかない。私たちも気をつけなければいけませんね。
警視庁公安部は、工作機械の関連会社などはロシア側の関心が高いので、狙われているのではと注意喚起しています。
注意する点として、外国人からのSNSや街頭での接触に対し、相手の身元を注意深く確認すること。
また、食事や贈り物で「断りづらい関係」を作り、情報を段階的に引き出すのが彼らの手口です。「なぜ自分なのか」と立ち止まって考えることが重要だとしています。
最後に「これくらいの情報なら大丈夫」「相手はいい人だから」と1人で判断せず、不審に感じたら、周囲への相談や、警察への通報も検討してほしいとしています。