家族名義の自動料金収受システム(ETC)カードを使って高速道路を利用し、不正に割引を受けたとして電子計算機使用詐欺罪に問われ、1審大阪地裁で無罪判決を受けた特定抗争指定暴力団山口組直系団体会長(58)ら3人の控訴審判決公判が20日、大阪高裁で開かれた。坪井祐子裁判長は1審判決に事実誤認があるとして破棄し、審理を地裁に差し戻した。
争点は、事実婚の妻(56)名義のETCカードを、妻が同乗していないときに使用したことが不正利用にあたるか否か。
昨年1月の1審判決は、ETCカードはクレジットカードほど厳格に使用時の本人確認がなされておらず、家族間での貸し借りであれば直ちに処罰されるわけではないと認定。会長が暴力団の行事に向かう際に使用している場合もあったものの、妻が自らの意思でカードを発行して「相当の頻度」で使用していることを重視し、無罪を言い渡した。
一方で坪井裁判長は判決理由で、暴力団の活動に伴う移動の際にも使われていた点を厳格にとらえ、利用実態は「夫婦間の貸し借りと単純に評価できるものではない」と認定。カードは不正利用された、と結論付けた。
その上で、1審判決が「判断していない争点もある」として、審理を差し戻した。