〈もう反応がほとんどない…〉政界引退の菅義偉元首相、接待疑惑の“ロン毛”長男ではなく「かばん持ち」から始めた叩き上げの秘書が後継指名された理由

1月27日公示、2月8日投開票の衆院選に向けて各党が慌ただしく選挙準備に追われる中、菅義偉元首相(77)が衆院選に出馬せず政界を引退する意向を表明し、永田町に衝撃が走った。大手紙政治部記者が語る。
「昨年10月の総裁選の際、高市陣営の1人が菅氏と面会したときの印象として、『菅さんに話しても、もうほとんど反応がない』とこぼしていました。このタイミングでの政界引退は致し方ない」
菅氏は17日に横浜市内で記者団の取材に応じた際、「喜寿を迎え、後進に道を譲ることを真剣に考えた」と語っていたが、自民党神奈川県連は19日、菅氏の後継として神奈川2区から出馬する候補者として、菅氏が首相時代に内閣総理大臣秘書官を務めていた新田章文(しょうぶん)氏(44)を擁立する方針を決めた。
新田氏は大阪出身で、関西の大学を卒業後、会社員をしていたが、「もっとやるべきことがあるのでは」と思い立ち、25歳のときに菅氏の秘書となった。運転手、鞄持ちからスタートした「生粋の秘書」で、長年の貢献から後継指名された。
「地盤・看板・鞄のない『たたき上げ』として首相まで上り詰めた菅氏だけに同じ境遇と言える新田氏を指名したのは彼の譲れない”遺言”のようなものでしょう」(同記者)
別の永田町関係者は新田氏の評判について、こう話す。
「新田氏は文字通り菅氏の手足となって、菅氏のために働いてきた人です。秘書の経歴としては永田町よりも地元・横浜の事務所勤めの方が長く、菅氏本人よりも地元関係者を押さえているかもしれません。
常に腰が低く、華があるタイプではないので政治家としてはつまらないかもしれませんが、地元の信頼は厚いようです。
新田氏は10年ほど前にも国政選挙への出馬を模索していましたが、秘書としての役割に菅氏の覚えがめでたく、なかなか許しを得られなかった。菅氏の体調悪化が進むと、菅氏はいろんな行事に新田氏を同行させるようになり、論功行賞として後継指名したのでしょう」
菅氏の後継をめぐっては、一時、菅氏の息子(長男)の名前も取り沙汰されたが、菅氏が首相時代に総務省のキャリア官僚に対する高額接待問題が露見しており、見送られたようだ。
前出の政治部記者は「当時の報道で見られた長男の姿が、ロン毛で咥えタバコをしていたことから印象に残っている人もいるかもしれません。地盤・看板・鞄のない『たたき上げ』として首相まで上り詰めた菅氏ですから、さすがに後継を世襲というわけにはいかなかったでしょう。菅氏自身も大学卒業後に小此木彦三郎氏(旧神奈川1区)の秘書として政界のキャリアをスタートさせているので、地元としても新田氏で納得でしょう」と話す。
第2次安倍政権のもと、2012年12月から2020年9月まで、歴代最長となる7年8カ月にわたって官房長官を務め、安倍氏の退任後はその後継として2020年9月から2021年10月まで首相を務めた菅氏。
政界の巨星は、今回の衆院選をどのような思いで見守っているのだろうか。