日英首脳が会談、重要鉱物の供給網や強靭化など安保分野の協力強化で一致…サイバー分野では協力枠組み創設へ

高市首相は31日、英国のスターマー首相と首相官邸で会談した。日英とイタリアの3か国による次期戦闘機の共同開発の推進や、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化など、経済安全保障を含む安保分野での協力強化で一致した。サイバー分野での包括的な協力枠組みとなる「戦略的サイバー・パートナーシップ」の創設でも合意した。
会談は夕食会も含め約1時間半行われた。スターマー氏は直前まで中国を訪問していた。台湾有事を巡る高市首相の国会答弁を機に日中関係が急速に冷え込むなか、日本側は訪中直後のスターマー氏に日本の立場を説明し、威圧行為を重ねる中国についての認識を共有する狙いがあった。
高市首相は会談冒頭、「日英の協力は、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が不可分であることを象徴している」と強調した。スターマー氏も「英日のパートナーシップはますます重要性が深まっている」と語り、会談後の共同記者発表で高市首相を英国に招待したことを明らかにした。
会談では協力強化の具体策が議論され、安保分野では、2035年頃の配備を目指す次期戦闘機の共同開発を加速化することで一致した。外務・防衛閣僚会合(2プラス2)を年内に開催することも確認した。
経済安保では、中国が日本へのデュアルユース(軍民両用)製品の輸出禁止など、経済的威圧を強めていることを踏まえ、レアアース(希土類)などの重要鉱物の供給網強化に向けて、同志国連携を推進することで一致した。宇宙や人工知能(AI)などの先端技術や、エネルギーや脱炭素分野での協力拡大も申し合わせた。
高市首相は共同記者発表で、「サイバー安保での日英協力を戦略的に進めていく」と明らかにした。従来の協力関係を格上げし、サイバー脅威に関するインテリジェンス(情報収集、分析)の共有や、外国勢力からの攻撃に対する対処能力の強化などを進めていく。
両首相は、中国が軍事的威圧を強めている台湾情勢やロシアによるウクライナ侵略などの国際情勢も議論したとみられる。高市首相が進化を目指す「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けた連携も確認した。