三田証券元取締役らをインサイダー取引の疑いで逮捕 東京地検

東証プライム上場のモーター大手ニデックが株式の公開買い付け(TOB)を実施するとの未公開情報を基にインサイダー取引をしたとして、東京地検特捜部は2日、中堅証券会社「三田証券」(東京都)の元取締役、仲本司容疑者(52)を金融商品取引法違反容疑で逮捕したと発表した。
他に無登録で有価証券取引の代理業務をした疑いでいずれも別の会社役員の松木悠宣(44)、小林真之(39)、田中伸矢(45)、阿部祐一(48)の4容疑者を逮捕した。特捜部は認否を明らかにしていない。
仲本容疑者の逮捕容疑は、三田証券で取締役投資銀行本部長を務めていた2024年8月28日ごろ、ニデックが東証プライム上場の工作機械大手「牧野フライス製作所」にTOBを実施することを知り、松木、小林両容疑者と共謀して24年9月6日~24年12月26日、牧野フライスの株券計約33万株を計約23億円で買い付けたとしている。
牧野フライスの株価は1株7000円程度だったが、TOB実施表明後は1万700円程度に値上がりした。三田証券はニデックとの間でTOBの代理人業務契約締結の交渉をし、買い付けは松木容疑者らの名義で行われたという。
また、仲本容疑者を除く他の4容疑者の逮捕容疑は、24年9月6日~24年12月26日に顧客11人の金銭を運用して、無登録で金融商品の取引業を営んだとしている。
ニデックは24年12月27日、牧野フライスと事前協議をせずに、完全子会社化を目指してTOBを実施すると公表。25年4月からTOBを開始したが、牧野フライスが対抗策の実施を表明し、TOBを撤回した。【岩本桜、五十嵐隆浩】