今回の衆院選、高市総理の自民党が歴史的大勝となりました。日本テレビ政治部の井上幸昌部長が解説します。
──自民党が歴史的大勝となりました。あらためて今回の結果をどう思われますか。
有権者は高市総理に「かつてない強大な力」を与えたことになります。一つの政党だけで3分の2の議席を確保するのは初めてのことです。
参院選で否決された法案を、自民党だけで再可決もできます。何が起きるかといいますと、仮に維新が政権を離れて自民党だけの政権になったとしても、法案を成立させることができます。かつてない強大な力を持ったと言えます。
ただ、現実的には毎回毎回、再議決するというわけにはいきませんので、参議院で自民党は維新を加えても5議席足りていません。まずは、国会運営を円滑に進めるためにも、参議院でも、どうにかして過半数を確保すべく動くとみられます。
──支持政党別で自民党に投票した人たちについては、いかがでしょうか
自民党支持の76%は、比例でも自民に入れています。さらに維新支持層の12%、国民支持層の8%、参政支持層の9%、さらに支持政党なしの27%が自民党に投票。これが強さですね。
──一方、「中道」はなぜ、ここまで大敗したのでしょうか?
無党派の投票先は、トップが自民党で27%、中道は2位で16%。こうみますと、中道は善戦したのではないのかな、と思えるのですが、前回の衆院選では立憲民主党がトップで、次は国民民主党、その次に自民党でした。
今回、無党派に支持される政党という看板を、野党第一党ではなく、自民党に奪われた形といえます。新しい政党名が浸透しきれなかったこともありますが、そもそも期待を集めることができなったと言えます。
──この結果を受けて、今後の高市政権はどうなるのでしょうか?
今後の政治日程です。来週に特別国会が召集される予定です。参議院では自民・維新の与党は過半数を割っていますが、衆議院の議決が優先されますので、いずれにしても高市総理、続投となります。
国会が始まりますと、この衆院選の実施で大幅な遅れが出ている来年度予算案の審議、成立を急ぐことになります。日米首脳会談もありますし、高市総理の台湾有事を巡る発言をきっかけに、関係が悪化した中国とどう向き合うかという重い課題もあります。
いずれにしましても、息つく暇もない日々が続くことになりそうです。
──株価も気になりますが、日本経済はどうなりそうでしょうか?
今回の選挙の結果で「責任ある積極財政」路線が国民の信任を得た形になりました。これにマーケットがどう反応するか。3日に最高値を更新した株式市場がまず注目されます
そして、財政悪化の懸念を持つ債券市場、為替市場がどう反応するか?今後の高市政権の行方は、市場の信任をいかに得ながら「積極財政」を進められるかが最大の焦点とも言えます。
──改めて、自民党史上最多の議席となりました。私たち有権者は今後、何を見ていく必要がありますか?
野党の議席が激減したことに注目する必要があります。政府に対する国会のチェック機能が、大きく落ちかねない事態といえます。
一方で、高市総理は「責任ある積極財政」、さらに「国論を二分する」と語る政策課題に突き進むことになりそうです。
政策決定にかつてないスピード感が求められる時代ではありますが、国民に寄り添った政権運営を行っているかどうか。今まで以上に「自分事」として高市政権と向き合っていくことが求められます。