12日に告示された中道改革連合の代表選(13日投開票)には、階猛、小川淳也両衆院議員が立候補を届け出た。立憲民主党出身の両氏は政策や党運営への思いをアピールしたものの、明確な対立軸を示すことができず、党再建につながるかは不透明だ。(原新、中田隆徳)
「この中から選ばないといけないのか」
弱点を指摘
「法案への賛否やスキャンダル追及にエネルギーが割かれがちになっていた」
階氏は中道改革の党本部で開かれた共同記者会見で、かつて所属した民主党や立民の弱点をこう指摘した。政務調査会での活動が長く、財政金融政策通を自負していることもあり、代表に就任すれば「国会ではスキャンダル追及より、証拠と論理に基づいた説得力のある議論を展開したい」と述べ、政策論争に比重を置く考えを明らかにした。
これに対し、小川氏は党が衆院選で大きく議席を減らしたことに触れつつ、「野党第1党が国会で果たすべき役割に質的な変化はない」との認識を示した上で、「与党と対峙(たいじ)し、政権監視をしていく」と強調した。ただ、「反対野党」と批判されることを意識してか、「協力するところは協力する」とも訴えた。
高市政権の経済政策はそろって批判した。階氏は「借金頼みで予算を増やし、バラマキを行っても共栄につながらない」と問題視。小川氏も政府債務を対国内総生産(GDP)比で引き下げる政権の方針について、「極めて無責任だ」と言い切った。
合流に慎重姿勢
党運営を巡っては、立民と公明党に所属したままの参院議員や地方議員の合流時期が焦点となっている。
階氏が「性急に事を運ぶべき時ではない」と主張すると、小川氏も「少し時間をかけて、丁寧に関係者の意見を確認しながら意思決定していくべきことだ」と同調した。衆院選の大敗を踏まえ、立民内には中道改革への合流に慎重意見があることに配慮したものとみられる。
立民系と公明系の党内融和をどう図るかも課題となる。立民系は、衆院選で公明系が比例名簿上位で処遇されたことに不満を募らせているためだ。次期衆院選での比例名簿の扱いに関して、階氏が「原則として平等であるべきだ」と訴えると、小川氏も「全ての人が平等だ」と続いた。
記者会見を受け、中道改革内には、両氏の主張に大きな違いがなかったことに戸惑いが広がっている。
立民系の衆院議員は「どちらに投票すればいいかわからない」と困惑する。自主投票を決めている公明系の衆院議員は結党から3週間しかたっていないことを念頭に、「候補者の2人はテレビでしか見たことがない。その中から代表を選ばないといけないのか」と漏らした。
諦めぬ苦労人 金融政策強み…階猛元総務政務官
東京大には2浪の末に入学した。野球部で投手を務めるも、チームは70連敗を喫し、就職した旧日本長期信用銀行は1998年に経営破綻。働きながら挑戦した司法試験は10回目でようやく合格した苦労人だ。
「とにかく諦めない。それが強みだ」と胸を張る。2007年の衆院補欠選挙で初当選した。政界入りしてからは、政局よりも政策を重視し、金融・財政政策を得意とする。
民主党政権で総務政務官、民進党時代には政調会長を経験した。「与党をうならせるような政策を一つでも多く出す」と語る。
各党渡り歩き 政権選択肢に…小川淳也元立民幹事長
高松市で「パーマ屋」を営む両親のもとに、3人きょうだいの長男として生まれた。「社会不安、将来見通しのなさを何とかしたい」と、政治家を志した。
自治官僚を経て、民主党から出馬した2005年衆院選で初当選し、民主政権では総務政務官を務めた。民進党、希望の党、立憲民主党と渡り歩いたのは自民党政権に代わる選択肢を示したいという信念からだ。
立民時代は幹事長や政調会長を経験した。20年のドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で自身の政治活動が取り上げられたこともある。