日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「 霞が関コンフィデンシャル 」。最新号から、ダイジェストで紹介します。
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消費税をめぐる混乱
高市早苗首相が衆院選の公約の目玉に据えた消費税減税。例によって「食品の税率を2026年度中にゼロにする」という中身を事前に知らされたのはごく少数の側近だけ。通常国会の冒頭解散も公約も独断で決め、自民党執行部も各省庁も、あまりのことにすっかり毒気を抜かれた様子だ。
消費税堅持を訴えてきた財務省との溝が深まる一方、片山さつき財務相(昭和57年、旧大蔵省入省)は金融界のトップらに「大きな政策は首相と私のツートップで決める」と宣言。首相との距離の近さをアピールする。「片山氏の能力は現政権で群を抜いている。財務官僚も首相とのパイプは片山氏に頼るしかない」(官邸筋)と、最強官庁もすっかり制圧された格好だ。
新川浩嗣事務次官(62年、同)はさすがに元気がない。与野党が消費税減税でほぼ足並みを揃えた以上、「減税そのものを阻止するのはさすがに難しい」(内閣府幹部)のが現実だ。
首相は「2年間の時限措置」と表明したが、28年夏には参院選が控えている。財政規律派の閣僚経験者も「消費税率の引き上げなんて、できるわけがない」と半ばあきらめ顔だ。与野党が参加する社会保障改革の国民会議も近く始まる予定だが、財務省とともに実務を仕切る厚労省でも「消費税減税が常態化すれば、いずれ医療、介護、年金の給付をカットしなければ制度を維持できない」(局長級)と深刻な雰囲気が漂う。
税率8%の食品の消費税収は年間5兆円。財務省内は「2年間で10兆円なら国債発行以外の財源を生み出すこともできる。だが3年、4年と続けるのは無理だ」(中堅)と危機感が大きい。このため、主計、主税局を中心に、減税を確実に2年で打ち切るための策を練ろうとしている。
※本記事の全文(約4500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年3月号に掲載されています( 霞が関コンフィデンシャル )。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2026年3月号)