「店長だけではなく、被告についても罰を受けてほしい。再就職できないくらい厳しい罰を望みます」──”立ちんぼ”を強要された元ガールズバー従業員の被害女性は、聴取にこう答えたという。2月10日、売春防止法違反で起訴された田野和彩被告(21)の初公判で明かされたのは、壮絶な管理売春の日々だった。
同容疑に問われているバーの店長かつ、被告の交際相手とされる鈴木麻央耶容疑者(39)は2月はじめ、女性に性的暴行を加えた疑いで再逮捕された。これで逮捕は4回目となった。田野被告は男と共謀し、3か月の間で元従業員を少なくとも400人の客と性行為をさせていたとされる。
壮絶な管理売春はどのように始まったのか。その経緯を公判の内容をもとに報じる。【前後編の後編。前編から読む】
被害女性はおととし9月、鈴木容疑者が運営する”昼ガールズバー”に入店。当初は問題なく働いていたようだ。しかし、穏やかな日々はほんの束の間だった。検察官は冒頭陳述において、当時の状況をこう述べた。
「被害女性は鈴木容疑者から『売り上げが少ない』などを理由に、入店した次の月からバーとは別のセクシーキャバクラなどで働かせた。接客した人数や給料について報告させ、稼いだ金は回収していた。
被害者が給料を”過少申告”した場合や、接客の仕方などを注意する際、男は殴る蹴るのほか、シャンパン瓶で殴るなどの暴行を加えており、田野被告もそれをたびたび目撃した」
年が明けて2024年1月。田野被告は交際相手でもあった鈴木容疑者の思惑に応えるように、被害者の”管理”に協力し始める。
「被告は男の指示を受けて、被害者の携帯電話で客とのやり取りを確認していた。この頃、鈴木容疑者は『稼げるのは大久保公園しかない』などと言い、売春するように指示した」
バーの元従業員はかつて、女性の境遇に関して取材にこう答えていた。
「たしか被害者の子は『夜職は初めて』と言っていた気がします。とにかくすごくお金に困っていて、あのバーで働くことになったようでした。
当時、家があったのかなかったのかは定かではないけど、入店してきた当初はインターネットカフェで過ごしていたんです。そこのネカフェからいちばん早く出勤してまず掃除。帰りも片付けをさせられて、同じ場所に帰っていた」
ほどなく女性は契約していた家を鈴木容疑者に解約された。寝泊まりしていたという店のバックヤードは椅子が2つ並んだ一畳もないスペース。記者も一度、実際に目にしたが、椅子を並べて寝るのが精いっぱいの場所だった。