自民が新人教育に着手、不祥事や失言警戒「謙虚さ忘れないで」…過去には金銭トラブルや女性問題も

自民党は17日、衆院選で初当選した議員を対象にした研修会を開き、新人教育にさっそく着手した。過去に大量当選した議員の言動が批判を集めたこともあり、不祥事や失言を警戒しているためだ。大半が解散した派閥に代わり、党本部主導で人材育成を図る。(谷口京子、金城文)
「これだけの議席をいただき、かえって国民から厳しい目が向けられる。謙虚な気持ちを決して忘れないようにしてほしい」
自民の鈴木幹事長は党本部で開いた研修会の冒頭、自民の歴史的な大勝を踏まえ、新人議員にこう呼びかけた。党中央政治大学院長代行の斎藤健・元経済産業相も「1年生議員といえども最高レベルの公人だ。信頼を失うことのないように心がけてほしい」と注意を促した。
自民は衆院選で316議席を獲得し、うち66人が初当選だった。研修会では、萩生田光一幹事長代行らが約1時間半にわたり、政治資金に関する報告の徹底や地方議員との関係構築の方法、マスコミ対応などについて伝授した。
研修会後、神奈川20区選出の金沢結衣議員(35)は記者団に「地元に恩返しできるよう責務を果たしていく。国会議員の心構えを学んだ」と感想を語った。
党執行部が特別国会の召集前に研修会を開いたのは、新人議員が不用意な言動で批判を受ければ、党全体への打撃になりかねないとみているためだ。党幹部は「高市政権への国民の期待が高い分、おごりや緩みがあると見られれば、あっという間に逆風になる恐れがある」と危惧する。
2005年の衆院選では、83人の新人が当選し、「小泉チルドレン」として注目された。ある議員は当選直後に「料亭に早く行ってみたい」などと発言し、批判を浴びた。12年衆院選では119人の「安倍チルドレン」が誕生し、14年の再選以降、金銭トラブルや女性問題などの不祥事が続き、「魔の2回生」「魔の3回生」との悪評を招いた。
今回は、新人議員への指導や相談にきめ細かく対応するため、数人ずつのグループに分け、各グループに相談相手となる「メンター」として、ベテラン議員を1人ずつ配置した。
同党では、これまで派閥が新人などの教育機能を担うことが多かったが、麻生派を除いて解散した。今後は党本部主導で定期的に研修会を開く予定で、鈴木氏は記者会見で「カリキュラムを充実させ、一方通行にならないように対応していきたい」と説明した。